Round 3 山野 健一朗 vs 山崎 雄毅
By Yukio Kozakai
年末に行われた「The Finais 2005」への出場経験を持つ山野。構築戦には腕に覚えのあるプレイヤーだ。ホームはイエローサブマリン町田店という事で、近隣で活動する強豪プレイヤーも多く集うホームでしっかり調整を施し、MWS（マジックワークステーション）でデッキを仕上げているという。使用するのは、Finalsの時にも使用していた《生網明神/Myojin of Life's Web》入りのハートビートデッキだ。
一方の山崎は、毎年開催されているLoM、Load of MagicのTop8常連である。リミテッドプレイヤーの印象の強い彼だが、昨日、別のカードゲームの構築戦で大規模大会への予選会を突破したという。今日も2連勝と絶好調。勢いそのままに、MTGでも権利獲得を目指す。
Game1
《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》と、着々とベースを築いていく、先攻の山野。山崎も、《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》《残虐の手/Hand of Cruelty》と、厳しいマナ拘束のある低コストクリーチャーを淀み無く展開し、山野の出をうかがう。
ゲームが動いたのは4ターン目。山崎の放った《酷評/Castigate》が《罪+罰/Crime/Punishment》を除外し、その際に見えた《早摘み/Early
Harvest》によって、ようやく山野のデッキが明らかになる。禍我（マガ）シュート系のマナブーストコンボデッキの類だろうか。
そうなると、動きは明白だ。メインから搭載されている《古の法の神/Kami of Ancient Law》を送り込み、《春の鼓動/Heartbeat of Spring》を許さない構えだ。たまらず長考に入り、悩み抜いた末の山野の結論は、《早摘み/Early Harvest》2発からの《生網明神/Myojin of Life's Web》。
しかし、手札はこれで空となり、攻め手としてではなく守り手として呼び出された明神に、すでに大きく侵攻していた山崎のビートダウンを食い止める手立てにはなれなかった。
山野 0-1 山崎
Game2
厳しい厳しいダブルマリガンスタートから、1ランドのハンドをキープせざるを得なかった山野。山崎もマリガンスタートながら《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》《闇の腹心/Dark Confidant》と展開して攻め立てる。
ここで、山野がガッツポーズ。2ターン目に無事に2枚目の土地を置けた事で、手札の《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》《木霊の手の内/Kodama's Reach》に活路が見え、ダブルマリガン分の遅れを一気に取り戻す。
しかし、コンボパーツが圧倒的に足りない。山崎の《酷評/Castigate》で再び晒された手札には、《神の怒り/Wrath of God》が3枚と《春の鼓動/Heartbeat of Spring》。迷わず《春の鼓動/Heartbeat of Spring》を引き抜いた山崎に対して、山崎が1枚目の《神の怒り/Wrath of God》。 |
２マナ変成で持ってこれます |
ならばと、《八ツ尾半/Eight-and-a-Half-Tails》1枚でクロックを維持し、さらなる《神の怒り/Wrath
of God》を使わせて《残虐の手/Hand of Cruelty》のみで再びクロックを作り、3枚目の《神の怒り/Wrath
of God》。
とりあえず、の形で場に出された《春の鼓動/Heartbeat of Spring》は《屈辱/Mortify》でしっかりと対応。さらに追加の《酷評/Castigate》で《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》を叩き落した山崎は、それと同時に見つけた《春の鼓動/Heartbeat of Spring》への回答、《古の法の神/Kami of Ancient Law》を呼び出し、クロックと回答の両方を調達する。
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『LoM』Top８常連の山崎 |
それでも、4枚目の《神の怒り/Wrath of God》を引き当てた山野が気合を見せると、《師範の占い独楽/Sensei's
Divining Top》から未来をうかがい、何とかゲームメイクをしようと動く。だが、焦らずに1対1トレードを執拗に続けた山崎の攻め手が尽きることは無かった。
「普通に」召喚された《大牙の衆の忍び/Okiba-Gang Shinobi》が、どうにもならないのだ。
2枚ディスカードの後、やっと見つけた《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》は即座に3枚目の《屈辱/Mortify》。あくまでも過剰な展開はしない山崎が《残虐の手/Hand of Cruelty》をプレイして山野の残りライフ5をキッチリ落とす展開を見せると、《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》で見た最後の最後に、《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》にたどり着く。
4枚目の《屈辱/Mortify》は……無かったが、《残虐の手/Hand of Cruelty》の能力はプロテクション（白）、なのだ。
《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》の奇跡は、3度は起こらなかった。
山野の展開が恵まれなかった感もあるが、オルゾフを操るプレイヤーにとって、お手本と呼んでも過言では無いほどに、一貫して山崎の冷静なプレイングが光ったゲームだった。
山野 0-2 山崎
Result：山崎 Wins！
